たくさんの色をもつ宝石、「ガーネット」。赤やグリーンなど、原色の鮮やかな色合いが人気の宝石ですが、ごく稀に、繊細なニュアンスカラーが採れることをご存知でしょうか？今回買い付けたのは「桜色」ガーネット。日本人の心を揺さぶる桜の色をそのまま映しこんだ宝石は、派手さはなく、上品。そしてこの上質なスクエアカットならではのテリ返しは、虹色にも近い鮮やかな煌きを放ちます。さらにこの宝石、夜の照明では赤みを増して、艶やかな色に。その様は、ライトアップされた夜桜のごとく、幻想的・・。七色の煌きと魅惑的な色合いで、女性を最大限に美しく演出してくれます。

室内の光と、日光と、白熱灯下と、そのどの場所でも表情が変わるシャンパンガーネット。室内では品の良いシャンパンピンクですが、桜の花びらのように、日光の下では淡いピンク色が太陽の光に透けて、鮮やかに発色します。さらにカット面の大きいスクエアカットの鮮やかなテリ返しは、虹色の煌きを覗かせるのです。光によって変わる表情が、見る人の視線を奪って離しません。

この「桜色」のシャンパンガーネットは、世界で唯一タンザニアのウンバ鉱山でしか採れない特別なカラーストーン。炎のように赤い「パイロープ」と、鮮やかなオレンジ「スペサルティン」の２つの成分をあわせもち、「すべてのガーネットの美しさを兼ね備えた」といわれる色合いは、赤、オレンジ、ピンク・・様々な色が混じり合う、絶妙なニュアンスを作りだしています。シャンパンガーネットの中でも、「桜色」のルースは極わずか。さらに、その中でも発色のより美しいルースに出会える確率はとても低くなります。

ただでさえ大変希少な桜色シャンパンガーネット。その中でもスクエアカットは滅多にお目にかかることはできません。なぜならカット面が大きいスクエアカットは、カットが細かいオーバルやラウンドに比べてごまかしが効かないため、透明度の高い良質なルースでないとカットできないため。そしてこのルースの最大の魅力は、大きいカット面から放たれる虹色の煌き・・この七色の美しい輝きはスクエアカットでないと味わえません。

この宝石のもう１つの魅力は、カラーチェンジ。シャンパンガーネットの中でもカラーチェンジするものは限られ、同じ成分を持っていても、特別な条件で生成されたルースだけが鮮やかな色変わりを見せます。昼の光ではロゼシャンパンのような桜色が、白熱光では赤みを増して、艶やかな夜桜の色に。昼の光の下よりも一層赤みを増し、内側から上気するような色が立ちのぼります。

シャンパンガーネットの繊細で鮮やかな煌きを最大限に生かしたくて、余分な装飾をあえて削ぎ落とし、とことんシンプルに。そのかわり、ルースを支える爪の大きさや、ジュエルに合わせた太さのチェーンなど、ディテールのバランスにはとことんこだわったネックレスにしました。上質な宝石と相まった、絶妙なデザインバランスがつくる究極のシンプルは、何年経っても、どんなときもずっとお楽しみいただけるデザインです。